これは、まるで芸術作品を作るような戦いだった。
ある日、一本の依頼が舞い込んだ。
「スペイン料理店のサービス台の上に、ガウディ風のワイングラスホルダーラックを作りたい。」
依頼主は、お世話になっている
おしゃれなデザインしかしない、おしゃれな店舗デザイナーさん(おしゃれ偏差値75)
…が、しかし!!
この依頼、ただの「ワイングラスホルダー」ではない。

(デザイナーさんからの依頼内容)
収納機能を持ちつつ、まるでサグラダ・ファミリアのような有機的な曲線美を実現し、さらに強度と軽量性を両立させなければならないという、職人泣かせの超難題。
まさに
「ガウディ × 機能美 × 物理法則」との三つ巴の戦いが始まった。
ここに涙あり、笑いあり、試作ありの壮絶な製作ストーリーが誕生する――。
史上最難関!? このラックが難しい理由
■曲線フレームにワイングラスホルダーを取り付けるという無謀な挑戦

(デザイナーさんからの依頼内を基に提案したスケッチ)

普通のワイングラスホルダーは直線的。
でも、今回求められたのは
「曲線(R形状)のフレームにホルダーを取り付ける」という前代未聞の仕様。
いや、待て。
R形状のフレームに、まっすぐなホルダーをどうやって取り付ける?(注:グラス差し込み部分入り口)
「氷の上にボウリングのピンを立てるくらい無理じゃない?」
そんな声が聞こえてきそうだが、
やるしかない。
■軽量かつ強度も必要という、矛盾した条件

(最終決定案)
・フレームが変形しない構造
・落下しない強度が必要
・でも重すぎると、壁付け用のビスが破損するリスクがある
つまり、
「剛健な鉄の盾を、風船のように軽く作ってください。」
と言われているようなもの。
……いや、無理だろ!
でも、やる。
デザインを優先しながら、安全性も確保
「ただのホルダーじゃなくて、ガウディ風にしたい。」
デザインに凝ると、構造的に難しくなる。
構造を優先すると、デザインがシンプルになりすぎる。
これは、
「10kgの米袋を軽々と持ち運べるようにして、かつデザインはエルメスのバッグみたいに洗練させてほしい。」
と言われているようなもの。
うん、無茶だ。
でも、やる。
そして、解決策をひねり出した。
■曲線フレームにフィットするワイングラスホルダーの成形

「直線が無理なら、曲げればいいじゃない。」

ということで、ワイングラスホルダーのバー部分は、 バーナーで炙りながらひたすら成形。
「うおおおおおお!」
まるで日本刀を鍛える刀匠のように、熱し、曲げ、冷やす。
何度も試作とテストを繰り返し、ようやく理想の形状に。

■軽量化と強度のバランス調整

・フレームの素材は無垢材ではなく角パイプを使用して軽量化
・角パイプの厚みは2.3mmにして強度確保

・さらに、フレームを支えるブラケット部分には無垢材を使用し、垂れを防止
まるで、
「フランスパンのサクサク感を残しつつ、中身をモチモチに仕上げる」
みたいな絶妙なバランス調整。
こうして、「軽いのに強い」という奇跡のラックが誕生した。
■細かいディテールへのこだわり

・ホルダー部分は取り外し可能にし、将来的なメンテナンスを考慮

・ベース部分にはアンダルシアイチジクの葉脈を溶接で表現

・フレーム先端には装飾を施し、角棒をねじることでガウディの世界観を再現

・フレーム周りの楕円部分はパイプを輪切りにしてR形状に成形
この加工簡単そうに見えるど…
コレ、めちゃくちゃ手間がかかっちゃてるんですよねー!

かなり端折りますが…

肉厚パイプをカットして、この製品の為にだけに作った型で楕円に成形

楕円にしたリングをガス炉で真っ赤っかに熱します

真っ赤かになったリングを、自作プレスでフレームのRに合せて成形

後はフレームにピッタリ収まるように、微調整の鬼と化す!
■塗装前の最終チェック
色んな角度からチェック

正面

上面

下面(この角度好き♥)

グラスをかけて、動作をひたすら確認
■塗装後の最終チェック

キズやタレなどの塗装チェック

毎度のことながら徹底的に
「もうええでしょう」と誰かが言うまでチェックする!

「これ、収納ラックというより、美術館に展示されるべきオブジェじゃない?」
まさにアートの領域へ――
そして、ついに完成。
✅ ガウディ風デザインを完璧に再現!
✅ 安全性と機能性を兼ね備えたワイングラスホルダーラック!
✅ お店の雰囲気に溶け込む、美しき収納ラック!
そして、無事に納品。
デザイナーさんがラックを見て
『うぉぉぉ、ガウディ降臨!!』
と叫んだとか叫んでないとか・・・

デザイナーさんが送ってくれた設置写真

このプロジェクトが成功した理由
? 設計段階でのシミュレーションと経験値の活用
? 何度も試作・テストを繰り返し、最適解を導き出した
? デザイン性と機能性のバランスを細部まで追求
いかがでしたか?
ガウディ風のワイングラスホルダーは――。
今回も製品を通して貴重な経験、習作をさせていただきました!
おしゃれなデザインしかしないデザイナーさんに感謝です!
これ、サイズを大きくして、上部にポリカーボネートを付ければ、
メチャクチャおしゃれなキャノピーになりますね!
このコラムを読んで
「こんなもの作れる?」と思ったら、 ぜひお気軽にご相談ください!



























